【完】クールな君に告白します
同時に、悪魔のような国崎くんからやっと解放されたはずなのに、私がこの場所から一歩も動けないのはーーー。
「こないだも隼人、キャプテンに負けて悔しがってましたよっ!!」
「ふぅん。負けず嫌いめ。少しからかってやろうかな?」
変わらないあの人の声色……。
姿を映さなくたって私にはわかる。
ゆっくりとした温かくて穏やかな口調。
「アハハッ!隼人のヤツ、絶対もう一回勝負してオレが勝つんだって、意気込んでましたよ!相当勝ちたいんすねっ、梶(かじ)さんにーーー!!」
ずっと、伝えたいことがあった。
ずっと、その声を聞きたかった。
ずっと、忘れられない人の名前。
動くことの出来ない私の鼓膜を震わせる。
「可愛いとこあるね、隼人もさ?」
ーーー梶先輩……。