【完】クールな君に告白します
ーーーもう、見つかってしまう。
そう思って、俯いた私は諦めたはずなのに。
「………隼人?」
梶先輩の拍子抜けした声が聞こえてきたのに、私には、その姿は見えなくて。
……それは、壁に押し付けられた私を、国崎くんが覆い被さるように抱き締めていたから。
「………ちょっ、ちょっと隼人!?おま、お前なぁ!何やってんだよ……っ!せっかく、梶さん連れてきてやったってのに!」
一体、何が起こっているの……?
梶先輩の声はするのに、私の視界を埋め尽くしているのは、不機嫌な瞳にかかるオレンジのウェーブの髪。
「……ったく。一人で練習してるって聞いて来てみたものの。隼人、ダメだろう?こんなところで、女の子とイチャついたら」
梶先輩のやれやれといった溜め息が、国崎くんの腕の中から聞こえてくる。