【完】クールな君に告白します



「……悪いけど、取り込み中。梶さんの説教聞いてる余裕ないんで」



国崎くん………?


さっきまで悪魔のような笑みを見せた国崎くんは、驚きのあまり目を見開く私に、“黙ってろ”……と、口の動きだけで伝えてくる。



「ハァ……。そんな状態だと、当分俺には勝てないんじゃないのか、隼人?」


「…………勝手に言ってろっての」



オレンジ色のウェーブの髪の隙間から覗く、切れ長の瞳がめんどくさいとばかりに歪む。



「相変わらず生意気なヤツだな。けど、今日のところは見逃してやるよ。本当に余裕なさそうだからね?」



梶先輩がクスッと笑った気配がしたから、私の胸の奥が小さく疼(うず)いたんだ……。


一緒に来たであろう男の子が、国崎くんに散々文句を浴びせれば、元来た道を返していく二人の足音が遠さがっていく。



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