【完】クールな君に告白します
今日は、そう言えるかな………。
私のせいで怪我をしたって、本当ですか?
私……春風さんに、何かしてしまったかな?
勇気を出せばきっと言えるかもしれない。
顔色とか、反応とか、気にしないで話しかけてみよう。
椎名くんに言われた言葉をおまじないのように繰り返した。
「ただ、自分で転んだだけなんじゃないの?」
もたもた迷っていた私に助け船を出してくれたのは、私のそばに華麗に歩み寄る、気品溢れる正木さんの一言だった。
毅然(きぜん)としたその姿が、カッコいいと思っているのは、きっと私だけじゃないはず。