【完】クールな君に告白します



どこにいたって、椎名くんはいつも女の子の恋心に満ちた熱視線を独り占めにしている。


……それだけでも、充分、罪深き男の子だっていうのに。


どこか遠くを見ているような冷めたブラウンの瞳と目が合えば、もう椎名くんの虜になること間違いない……らしい。



癖の強い髪を持つ私からしたらどんな手入れをしているのか知りたいくらい、傷みを感じさせない綺麗なキャラメル色の髪。


ふわり、と揺れれば、微かにシャンプーの香りが鼻に届く。



制服のポケットに手を突っ込んで気だるげに立つその姿さえも、身長180センチはあるであろうせいか、不思議と絵になってしまうのだ。


……まるで。

恋愛小説の中から飛び出した王子様のような、抜群な容姿は、どんな女の子も見惚れてしまう程。



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