【完】クールな君に告白します
「オレは、誰のことも好きにならないって。春風、お前はあと何回言わせるんだよ……ったく、」
……と。
春風さんを尻目に、椎名くんは最早めんどくさいと全身で訴えていた。
「っ、……ふぅ、……うっ……」
「ひ、陽菜ちゃん……!!泣かないでぇ……」
途端に、どこから見守っていたのか、春風さんの周りに駆け寄る女の子達が数名現れて、よしよしと慰めている。
それが、更に椎名くんのめんどくささを駆り立ててしまったのか、春風さん達から踵(きびす)を返そうとした。
「……ま、待ってよ。陽菜、椎名くんのこと知りたいんだもん!せっ、せめて……!椎名くんは、どんな子がタイプなの……?それくらい教えてくれても……いいでしょ?」