【完】クールな君に告白します
「ごめんな……」
私の目線に合わせるようにそっと真正面に顔を寄せた椎名くんと再び目が合えば、微かに掠れたような声で謝罪を口にした。
「し、椎名、くん………?」
「オレ、お前の気持ち考えるとか言っておいて、考えてねぇのはオレの方だった……」
真剣な眼差しは夏の入道雲のように真っ直ぐで。
「私の気持ち………?」
「さっき、お前が黙ってることで責め立てたろ」
正木さんに助けてもらったあと、椎名くんは確かにものすごく怒っていた。
「でもお前が何か伝えることは、オレには簡単でも、お前にはそんな簡単なことじゃねぇのにな……」