【完】クールな君に告白します
私を“不気味”と呼び、私みたいなのは嫌いで。
どうして椎名くんが私を好きなんだと、理解に苦しんでいる様子も伝えた。
表情はいつも通り眉根に皺を刻んだまま変わることのない椎名くんだったけど。
「それで、国崎くんに、どうして椎名くんは、誰も好きにならないか知ってるかって聞かれた……」
「……、」
その言葉で、ほんの一瞬、眉がピクリと反応を示したかと思えば、たちまち表情が曇りだす。
その理由を、私は考えたことがなかった。
知りたくないと言えばそれは真っ赤な嘘だけれど、きっと椎名くんは知られたくないはずだと思った。