【完】クールな君に告白します
だって、今にも雨でも降りそうな灰色の空のように、憂鬱そうな顔をしているから。
そんな椎名くんを見ていたら私まで苦しかった……。
だから、私は椎名くんに何も聞かなかった。
誰にだって知られたくないことはあると思うから。
「……その時、バスケ部の人達が来たの」
「バスケ部?」
話を続けると椎名くんが私に視線を投げた。
「うん。それで、私………、」
久しぶりに聞いた梶先輩の声が染み着いている。
何一つ変わらない、梶先輩の声。
「情けないけど、泣いてしまって。そんな私を、見つかる前に国崎くんが咄嗟に隠してくれて……」