【完】クールな君に告白します
泣き落としにも動じない椎名くんを見兼ねて、春風さんは地から顔を上げると声を振り絞った。
「……そ、そうよ。あたし達も、知りたいよ!」
「うっ、うん……!椎名くんは、いつも……どんな女の子の告白も受けないんだもんね……っ!」
春風さんを後押しするような熱烈な恋心故に、まるで椎名くんが悪いみたく、春風さん達に批難された言い方で責め立てられている。
恋する女の子達は……お、恐ろしいんだなぁ。
修羅場の如く繰り広げられているこの場に、遭遇しない方が身のためかもしれない……。
私は、そっと音を立てずに黒いノートーーーお手製名簿で顔を隠し、窓から離れようとした、その瞬間(とき)……。