【完】クールな君に告白します
「……だったら教えてやるよ。“黒いノート”持った、こんな女だよ」
椎名くんの声の方向が、こっちに飛んできた気がしたのはきっと気のせいで。
そ、そうか……。
椎名くんは、黒いノートを持った女の子がタイプ……って、えぇ……?
私は、思わず自分の黒いノートに反応してしまったせいか、顔を半分隠した状態のまま固まってしまった。
「く、く、黒いノート……!?」
「そんな適当なこと……!……って。ね、ねぇっ……ひ、陽菜ちゃん。ほら、あそこ見て……」
「えぇっ?」
驚きの声に満ちた春風さん達の声とほぼ同時。
私はそっ……と、顔を隠したノートを静かにおろして、表情を出してみる。