【完】クールな君に告白します
1 *STORY
誰も居ない視聴覚室には、わたしとこの学園王子の二人だけしかいない。
『お前、耳まで真っ赤。可愛すぎ』
『ちょっ、ちょっと!!からかわないでくださいっ……、』
反論すらも素通りして、王子の長い骨ばった指は、熱くなったわたしの頬に微かに触れた。
『待たない。オレ、どれだけ我慢すればいんだよ?』
なんて……問いかけると、唇を吊り上げて意地悪に微笑む王子様の顔が、動けずにいる私へジリジリと距離を詰めてくる。
ドキンッ、ドキンッと高鳴る鼓動がやけに響いてうるさくて。
唇と唇が触れそうになるから、胸がドキドキの悲鳴をさらにあげるんだ。
あ……わたし、キス……されるかも……。
ゆっくりと目を閉じた瞬間ーーー。