【完】クールな君に告白します
楽しみすぎてふわふわした気持ちが表れたみたいに、口許は自然と緩む。
服は変じゃないかなとか、早く来すぎたかなとか。
普段ならそんなこと……気にすることもない自分が、なんだか妙に嬉しくて。
………正木さん、まだかな?
時計を確認すると映画が始まるまであと15分。
行きゆく人々が通りすぎる中、正木さんの姿を探したけどまだどこにも見当たらない。
もしかしたら、忙しくて遅れてるのかな?
というか、待ち合わせの場所は、ここで合ってるよね……?
「お客様にお知らせです。本日、16時より公開のーーーー」
アナウンスが流れて、必然的に気持ちが焦りだす。