【完】クールな君に告白します
けれど、まさか返ってきた言葉は……
「本当だけど?オレ、これからこの女に会いに、図書室に行く途中だったし」
冬の冷たい風が、爽やかに、キャラメル色の髪をふわり揺らす。
し、椎名くん……?
私の声にならない声は当然、椎名くんや春風さん達には届くはずもなく……。
「……っ、」
ただ、呆然と視線を向けた先の椎名くんと目が合った私は、やっぱり何も問いかけることさえ出来ず瞳を逸らす。
「も、もう行こうよ!呪われるのはゴメンだから……!!」
「ヒッ……!」
「陽菜は、そんな嘘に……だ、騙されないんだからねっ……!!」
納得のいかない春風さんだけはそう言い残して、再び泣きそうになりながらも、女の子達と供に去っていった。