【完】クールな君に告白します
・恋愛ごっこ始めます
……えっ、と。
こ、これは一体、何が起きてるのですか……?
「おい。お前」
まだ……全く、整理のつかない私に投げかけられたのは、椎名くんの先程と何一つ変わらない冷静な声で。
「……おい。聞こえてんだろ?」
「っ、私、ですか……?」
嘘、嘘、嘘ーーー。
椎名くんが……。
あの、クール王子と囁かれているあの椎名くんが、私なんかに声をかけてくれてる……!?
「お前以外に誰がいるんだよ?」
夢……みたいだ。
だって、いつも誰も声をかけてはくれなくて、必ず怖がられて、呪われるって逃げていってしまうのは毎日のことで。