【完】クールな君に告白します
夢から覚めたようにハッとして驚いた男の人は、拳と同時に強く唇を噛み締めて、憎しみに満ちた眼差しを浴びせて私を睨みつけた。
「……なんだい君は。部外者だろう?」
「っ、すみません。ぶ、部外者ですが、私にはなんのお話かわかりませんが……、」
「君は、人の話に首を突っ込むんじゃないと、教わらなかったのか?」
「……っ、すみません……それでも、口を挟みます」
「………これは、参ったね。だが私は君のような非常識な人間には用がない。時間の無駄は嫌いだ。諸悪(しょあく)の根源……この男に話が………」
「で、でも!椎名くんが、傷ついています………!」
……ああ、大変なことをしてる。
こんなことをしたらただじゃ済まなそうだ。
頭の隅でそれを理解していても、口を挟むことを、私は制御出来なかった。