【完】クールな君に告白します



叫んでしまったあと、全身が心臓になったみたいにドクドクと音をたてる。


警報が鳴り響いているみたいに辺りのイルミネーションが赤くちかちか光っていた。


怖い………。

身震いを覚える程この人はとても怖い人で……。


それでも、椎名くんが傷ついているのをただ黙って見過ごしてなんかいられなかった。



「っ、教養のない人間は、でしゃばることには長(た)けているもんだな?」


「……、」



事実、とんでもないでしゃばりをしている。


しまった……と、自覚した時にはもう後の祭りで、身も凍る鋭い瞳に、さっきよりも数倍怒りを買ってしまったと理解した。


……だけど。



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