【完】クールな君に告白します

「コイツは関係ありません。罵倒されるのは、オレだけで十分だ……」



椎名くん………？

飛びつくように見上げれば、眉を下げた椎名くんが困ったように苦く笑みを零し私を見つめた。



「……不愉快だ。お前などにもう用はない。だが、あの娘(こ)に会っても……間違っても声をかけるな。今まで通りにしろ。それが、お前に出来る償いだ……」



“償い”……だなんて。

椎名くんが罪を犯したような響きに胸がざわざわと揺れる。


不快な物を見る目で、真意の掴めない台詞を吐き捨てると二人は足早に去っていった。



ヘタリ……と。

全身の緊張が解けた私はこの場に崩れ落ちそう。


けど、隣に立ち尽くす椎名くんの手からも同じように力が抜けていくのを感じたら、居てもたってもいられない。