【完】クールな君に告白します
「……私。私は、たまたま、この図書室に、」
既に手遅れかもしれないけど、私はこの場所で黒魔術なんてのはしていないわけで、誤解されているのならそれをすぐにでも解きたい……。
「……何?こっちまで、聞こえないんだけど?」
嬉しさとか、男の子と話すことの緊張とかで上手く口が回らない私に、椎名くんは小さな溜め息をついて足を動かした。
ああ……また、だ。
また上手く話せなくて、せっかく声をかけてくれたのに、椎名くんもきっと呆れて去っていってしまう。