【完】クールな君に告白します



いつだって椎名くんはクールで、女の子の告白を片っ端から断り続けては、誰も好きにならないと宣言する冷酷な王子様。


……けど、本当は不器用で、優しくて。


そんな椎名くんの貴重な笑顔に出逢えた夜。


まるで、私は私じゃないみたいにドキドキしていて、その原因は隣にいる椎名くんだとはっきりと気づいてしまう。


今までの自分じゃ、到底考えられない心境。



「……巻き込んで悪かった」



そんな私の心情を知る由もない椎名くんは、さっきよりも低い声で呟いた。



「…………謝ることなんかないよ。そもそも、巻き込んだのは私の方だし……。それに、でしゃばってごめんなさい」


「お前が謝る必要なんかない。本当にオレのせいなんだ、全部……」


「椎名くんの、せい?」



< 244 / 563 >

この作品をシェア

pagetop