【完】クールな君に告白します
いつだって椎名くんはクールで、女の子の告白を片っ端から断り続けては、誰も好きにならないと宣言する冷酷な王子様。
……けど、本当は不器用で、優しくて。
そんな椎名くんの貴重な笑顔に出逢えた夜。
まるで、私は私じゃないみたいにドキドキしていて、その原因は隣にいる椎名くんだとはっきりと気づいてしまう。
今までの自分じゃ、到底考えられない心境。
「……巻き込んで悪かった」
そんな私の心情を知る由もない椎名くんは、さっきよりも低い声で呟いた。
「…………謝ることなんかないよ。そもそも、巻き込んだのは私の方だし……。それに、でしゃばってごめんなさい」
「お前が謝る必要なんかない。本当にオレのせいなんだ、全部……」
「椎名くんの、せい?」