【完】クールな君に告白します
同時に、私の中で蘇ったのは国崎くんの言葉。
ーーー“どうせ、お前も最後には楓のせいにするんだろ?”
悲しげに揺れた瞳で告げられたその真意は、今も全くわからないままだけど。
「お前にまで嫌な思いさせた」
“だから、ごめん”………と。
もう一度、謝罪の言葉を告げた椎名くんは苦しそうに息を吐き出した。
見上げた夜空が反映したようにその瞳が夜に染まっていく。
「………私は、何も知らないけど、何も言えないけれど。椎名くんに傷ついてほしくないって思ってる」
「……、」
「背中を押すことも出来ない私だけど。それでも……っ、椎名くんには笑っていてほしい……」
「っ、」
その優しい笑顔で、笑っていてほしいよ。