【完】クールな君に告白します
「傷つけてしまった自分を許せなくて、もう一度、向き合うことが怖かった……」
ーーー“怖いって、言ったよな?傷つけたって。だから会えなかったんだろ?ずっと”
その通り……。
私が見つけたのは大切な人に想い焦がれる特別な場所ではなくて、自分を守る距離を保てる安全地帯。
自分が傷つけてしまった相手に会うのが怖いなんて矛盾しているのに、それでも拒絶されたらと思ったらどうしようもなく怖かった。
ひたすらその距離を壊さないように、自分を隠して自分の心を守ってきた。
「お前が、誰かを傷つけることなんかするのかよ」
「椎名くん……?」
「そんなこと……出来るヤツじゃないだろ、お前」
怒ったみたいな顔をしてるけど、そうやって、私の心を温めてくれる。