【完】クールな君に告白します
「……ありがとう。でも私、子供のからずっと、誰かを傷つける言葉を吐いてしまって……そんなつもりなんかなかったんだけど。でも、そう言えば言い訳かもしれない……」
私にも、今みたいに言葉に迷うことのない日々は確かにあった。
“不気味ちゃん”……なんて呼ぶ人は誰もいなかったし、友達もいて、間違っても今のように独りぼっちではなかった。
あの頃を思うと、心は夜の海に深く沈みかける。
だけど、変わらず真っ直ぐに私を見つめる椎名くんの一等星のような瞳。
だから、私も逸らしたりなんかしない。
ーーー閉ざしていた記憶の蓋をそっと開ける。