【完】クールな君に告白します



 * * *


口は災いの元ーーー。


その言葉の意味を身を持って理解したのは、小学5年生になってすぐの頃だったと思う。


所謂、“仲良しグループ”に属していた私は一番仲のいいチイちゃんから、真面目な顔をしてある頼みごとをされた。



「ねぇ、公ちゃん。誰にも言わないでくれる?」


「なぁに?もちろん内緒にするよ!どうしたの?」


「ん……約束ね。あのね、体育の日……みんなとは違う部屋で着替える時があるんだけど。あのっ……見張りを、してほしいの。わたし、生理の時、みんなと一緒に着替えるのが恥ずかしくて」


「えっ?生理……、」



言いかけて、私は慌てて口を覆った。

恥ずかしいことじゃないんだよ、と保健の先生は言っていたけど、私達小学5年生の女子からしてみれば生理がきたということは一大事だったのだ。



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