【完】クールな君に告白します
今度は、怒ったみたいな顔じゃなくて、少し呆れ気味にそう紡ぐ椎名くんを、私は目を大きくして見つめていた。
「っ、……そう……っ、です。月城、です」
私の……名前。
もう、どれくらいぶりに呼ばれたかわからない。
あまりにも、名前を呼ばれることがないから、誰も知らないんじゃないかってずっと思っていて。
けど、椎名くんがあっさりと私を呼んでくれたことが、堪らなく嬉しく感じた。
「……で?月城。お前、こんなとこで何してたわけ?」
「えぇ……!?あ、あの。私は……、決して黒魔術なんてものはしてませんから……!」