【完】クールな君に告白します
車道を歩く月城を半ば強引に歩道へと押しやると、「椎名くんが事故にでも遭ったら逆に私が呪われますから……!」と、わけのわかんないことを呟く。
「黙って歩道歩いてろよ」
「しゃ、車道を歩く勇気くらい……私にだって、ありますよ」
気を遣わせたと思っているのか、つまらないところで意地を張る月城は珍しく反抗したように視線を投げる。
「確かに勇気あるよな、お前……」
「え?」
「……いきなり、オレを抱き締める勇気もあるみたいだし?」
「……っ、椎名くんを?」
理解が追い付かないのかゆっくりと歩くその足を自然と止めると、首を傾げた……ほんの数秒後、赤面した月城に口角が緩む。