【完】クールな君に告白します
「梶先輩なんて、いないじゃないですか……っ、」
「普通、気づくだろ?」
「う……嘘、だったんですか!?」
「今頃気づいたのかよ、お前」
恨めしそうにオレに視線をぶつける月城に、唇を吊り上げて嫌味を浮かべてやる。
休みが明ければお前は梶の元へと走り出す。
大切な思い出を微かに震えるその小さな手の中に握り、真っ直ぐな瞳に優しい梶を映して、本当の想いを伝えるんだろ?
……だったら、もう少しでいいから。
「椎名くん……意地悪ですよ………?」
ーーーもう少しだけ、オレで困ってろ。