【完】クールな君に告白します
* * *
やけに意地悪な椎名くんにどきまぎさせられて、相当恥ずかしい姿を見せてしまった。
「……私の家、もう、すぐそこだから。ここで」
「ああ……」
「今日は、本当にありがとう」
「……別に。お前に風邪でもひかれたら、正木に目で殺される」
少々物騒なことを言うけど、あのクール&ビューティーの正木さんならそんな姿も可憐で凛々しいかも……。
なんて、くだらない想像をしていたら、無償に正木さんに会いたくなってしまった。
「痛……っ、」
「お前、逃げるなよ?」
コツン、と。
私の分厚い前髪の上からおでこを弾かれて、現実に引き戻される。