【完】クールな君に告白します
一人早口で話し続ければ梶先輩の視線は逸らされることはなく私を見つめ、緊張はたちまち身体中に広がった。
それでもあの頃と変わらない穏やかな笑みを見ていたら、必然と早く告白しなきゃと気持ちは焦りだす。
「……よかった。月城が元気そうで」
「え?」
「ずっと、気になってたんだ。月城は今、自分らしくいるのかって……」
「……っ、」
“自分らしく”……。
僅かに弱々しくなる声音でそう口にした梶先輩の言葉は、迷いなく目の前にいる私の心に問いかけてくる。
こうして二人で話すのは中学の時以来。
あの頃よりも背だって髪だって伸びた今の梶先輩は、確かに私の目の前に立っていて。
梶先輩がくれた言葉も、過ごした優しい時間も、まるで昨日の出来事のように鮮明に蘇る。