【完】クールな君に告白します



今まで、私が梶先輩に会おうとさえすれば限りなくそのチャンスはあったと思う。


ううん……。

むしろもっと早くそうするべきだったのは確実に私の方で。



「本当はさ……俺自身が、月城に合わす顔がなかったんだ。あの頃、月城にかけた言葉は、逆に月城を追い詰めていたんじゃないかって思って……」



だから、梶先輩が私を見てそんな悔いたような表情(かお)をする必要なんか微塵もない。


なんて身勝手な言い分と思われるかもしれない。


それでも今、こうして梶先輩の方から来てくれて、私としっかりと言葉を交わしてくれている。



「あの日から、月城と会わなくなってしばらく考えたんだ。結局……俺が、逃げずにいたいって気持ちを月城にも一方的に押し付けていたんだなって……綺麗事にしか過ぎないんじゃないかってね」


「っ、」



弱々しく自嘲気味な笑みを零す梶先輩と視線が交差した直後。



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