【完】クールな君に告白します
昼休みが終わりに近づく鐘の音を耳にして、どちらともなく教室へと踵を返した。
教室へ続く階段の分かれ道………。
「……あ。隼人のヤツ、体育館裏で秘密の特訓してるっぽいんだけど、たまに覗いてやってくれないか?」
「え……!?そんなことしたら、また国崎くんの怒りを買ってしまうのでは、」
「え?何?」
そうだった……。
梶先輩は初めて国崎くんに遭遇した日に、いちゃついてると勘違いされたのが私だなんて知らないんだった。
「いいえ……!何も、言ってません!」
「……そう?隼人のこと応援しに来る女子って意外と多いんだけど、バスケっていうより、隼人の顔見に来てる子が大半で」
「は、はぁ……」
確かに顔はカッコいいと言われていることも多々耳にするのだけれど、私からすればなんせ威圧感というか悪魔っぽい要素が強いというか。
それは、私が国崎くんの怒りのツボを刺激しているのは間違いないんだけど。