【完】クールな君に告白します
・恋だけは誰も教えてくれない
雪が降りそうなくらい冷たい空気も、太陽の光が溶ける瞬間も、道端に咲いた小さな花も。
目に映る世界の片隅が心なしか優しく映る。
次の日の放課後、お手製名簿を開いた私は、ハートマークをつけたところにある正木さんの名前をまじまじと見つめる。
正木さんと、友達になりたいな……。
そう言ったら正木さんは笑ってくれるかな。
それとも……と考えて、私は席を立つ。
告白が終わったからって急に自信がつくわけでも、変われるわけでもなく……ましてや強くなれるわけでもない。
……けれど。
「あの、正木さん……!この本、ありがとうございました!強引だけど、本当は優しい幼馴染みくんが、すごくかっこよかったです!」
少しずつでいい、自分のペースで歩いていこう。