【完】クールな君に告白します
四角く切り取られた窓を挟んだ、冬空の下に立つ椎名くんは、白い息を吐き出したあと、口ごもった私を真っ直ぐに見ていて。
……その、椎名くんの真剣さを含んだ瞳を、当たり前だけど、わたしは初めて見た。
「月城はこんなとこで、一人でそれ眺めてるのが好きなわけ?」
黒いノートに目をやった椎名くんに投げかけられた言葉は、私の胸にチクリと痛みを届けた。
眺めてたって変わんない。
そう、言われたような気がした。
「……ち、違います。私が、ここにいるのは、この図書室じゃなきゃ、ダメで……っ、」
この部屋から見える場所に、“あの人”がいる。
「……どうしても、伝えたいことがある人がいて。その人に、いつか、伝えられたらって……」