【完】クールな君に告白します
声にならない声で「うん……」と小さく頷けば、椎名くんの手は、私の癖の強い髪をそっと撫でた。
今なら、この大嫌いな癖っ毛も、少しだけ好きになれるかもしれない。
……なんて、そんなことすら思えてしまう私は、やっぱり変なヤツなのかもしれない。
「……てか、大丈夫なのかよ」
言いながら離されていく手。
同時に私は椎名くんから身体を引いてその意味を考えるけど、理解出来ずに首を傾げるしかなかった。
「……ハァ。月城はこの先、本当に好きな男が現れたら、ちゃんと告白出来るのかよ?」
「こっ、告白………?」
「そうだろ?またオレが練習相手になるなんてゴメンだからな……」
「椎名くんにまた練習相手になってもらうなんて……そんなこと、もう絶対にしません……!」