【完】クールな君に告白します



“ただの練習”。

それはわかってる。


未来の告白の度に誰かに手助けをしてもらわないためにも、予行演習はとても大切なこと。


ただの練習に過ぎないってわかってるけど。


どうして私はーーー、

椎名くんに何も言えなくなってしまうんだろう。


椎名くんの顔を見ているだけでこんなにもドキドキしているんだろう。


終わりを迎えた“恋愛ごっこ”……私と椎名くんは、最初から何一つ始まってもいない。


なのにどうして、椎名くんのことを知りたいと思ってしまうんだろう。


そばにいたいって、こんなにも強く……。


はっきりと言葉に出来る答えが見つからないのは、恋だけは誰も教えてくれないから。


きっと、自分で見つけるものだから………。



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