【完】クールな君に告白します



……結局。

炸裂なバトルは先生の言葉で終わりを迎えた。



「静かにしろー!収拾がつかないから……ここは、椎名に推薦してもらうことにする!以上!」



先生に何か声をかけられた椎名くんは、適当に相槌を打ったあと、今日も気だるげに机に突っ伏した。


それから、朝一つ目の授業を終えた休み時間。



「さすが陽菜ちゃん。不気味な黒屋敷なんて、よく考えたよね!?」


「ねぇ?とことんみんなに怖がられてしまう不気味ちゃんなんて、あの椎名くんも、好きなタイプとか、二度と言わないもんね」


「……ねっ?だから、言ったでしょ?陽菜の言う通りなのよ。不気味ちゃんには、不気味らしくいてもらわないと……」



私にふりかかる災難はまだ終わっていなかったみたいだ……。



教室の出口を塞ぐように、私を見るか見ないかの視線を送りながらクスクス笑う春風さん達。



ハァ……。

どうやら、これが春風さんの策というものらしい。



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