【完】クールな君に告白します



「……ねぇ、国崎くん。後悔するなんて、どうしてそんなことを思うの?」



椎名くんと関わったら後悔するなんて。


煩わしいと言っていた春風さん達や同盟の女の子から付きまとわれることも、私と関係を始めることで回避してきたけど。


だけど、椎名くんはいつだって自分から誰かと関わろうとはしなくて、むしろ距離を作っていたように見える。


自分から聞いたクセに国崎くんの答えが怖い。



「楓は、今でも自分のせいだって思ってるんだ……」


「……椎名くんの、せい?」


「なんで、アイツだったのかもわからない……、」



悔しさに滲む横顔が、椎名くんのあの夜の言葉を思い出させる。



ーーー“オレのせいなんだ、全部”



「っ、国崎くん……っ、なんで?なんで、みんな椎名くんのせいだって、言うの……っ、」


「みんな?」


「………だって、冬休みに偶然会った人も、“お前のせい”だって言ってて」



椎名くんの色を失った瞳。

深く傷ついた顔をした椎名くんが蘇った。



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