【完】クールな君に告白します
各クラスが創立記念祭の準備に追われているせいか、みんなが廊下を忙しくなく行き交っている。
その中を通り抜けるように走って正木さんの姿を探したけど、廊下にその姿は見当たらない。
焦りだした私は、もしかしたらと思い下駄箱まで来ると、門の方へと歩く正木さんの姿が視界に飛び込んできた。
正木さん…………!
門の外には一台の高級車。
呼び寄せられるように歩く正木さんの後ろ姿に、私は靴を履き替えることも忘れて一目散に走り出した。
「まっ、待ってください…………!」
寒さのせいで私の口から白い息が流れる。
こんなに全力で走ったのはいつぶりだろう。
「月城さん…………?どうして……っ、」
呼吸が落ち着かないまま無我夢中で声をかければ、勢いよく振り返った正木さんが、驚いた表情で固まっていた。