【完】クールな君に告白します
嘘ーーーー!?
窓辺に座り、長い足を無造作に放り投げ、寄りかかるように眠っているのは椎名くん……。
私は、驚きと同時に息を呑んだ。
休息を求めてやってきた王子様は、どうやら疲れているのか長い睫毛を伏せて眠っている。
椎名くん………?
ほ、ほんとに、寝ちゃってるの?
ゆっくりと足を進めれば必然的に距離は縮まって、無防備に眠っている表情さえも整った椎名くんに、私の胸の音が聞こえてしまいそうになる。
椎名くん……こんなところで眠ってると、風邪ひいちゃうよ。
隣に座った私は起こそうかどうしようか迷いながら。
ーーー“これ以上、楓の中に踏み込もうとするな”
国崎くんの忠告を思い出して、苦しくなる。