【完】クールな君に告白します
「椎名……くん、やっぱり、風邪ひいちゃうよ?」
眠りにつく椎名くんの表情を見つめて、小さく声を漏らした直後。
「……ん、」
キャラメル色の髪が揺れると同時、僅かに眉を動かした椎名くんに、私の心臓は飛び出てしまいそうになった。
「…………月城?」
まどろみの中にいたせいか、吐息混じりに私の名前を呟くその声は少し掠れがかって。
うっすらと瞼が開かれた椎名くんのブラウンの瞳は、まだ朧気なのか、はっきりとしていない様子……。
一瞬、目が合った私は咄嗟に逸らしてしまう。
どうしよう………。
私、何してたんだって思われてしまう。
完全に怪しい女だ………。