【完】クールな君に告白します



朧気な視界の中で心配そうにオレを見る月城。


すぐに逸らされてしまう視線を追うように体勢を変えれば、月城との距離が思ったよりも近いことを知った。



「なんとなく……最初に会った時も、ここは嫌いじゃないって言ってたから……」



オレの問いに語尾を細めて答える声に、よくそんなことを覚えていたなと思いながら。


どうして、自分がそんなことを口走ったのか……。



「教室に、戻りたくないなら……ここにいてもいいと思うよ」



少し前から挙動不審という言葉が当てはまる言動を繰り返す月城は、やっぱり前よりもオレと目を合わせない。


ようやく念願の正木と友達になれたのに、どこか浮かない顔ばかりだな。



< 380 / 563 >

この作品をシェア

pagetop