【完】クールな君に告白します



「………公花、さすがに、それは怖いんじゃないかしら?」


「へ……!?」


……と。

上の空だった私は指摘を受け、舞ちゃんの指差す自分の手元を見つめた。


休み時間、少しでも屋敷内のリアリティを演出するための道具を作っていたんだけど。


血に見立てた赤いスプレーを藁人形の中心に吹き掛ける。


そのスプレーの赤が、私の指先にも、飛沫(しぶき)のように付着していて。



「まるで、血塗られた赤い手みたいで怖いわよ?」


「……ほ、ほんとだ」


「すぐに洗ってくれば大丈夫じゃない?ほら、早く!」


「う、うん………!」



廊下の水道へと向かって出口に差し掛かったその時。



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