【完】クールな君に告白します



「辞退しなさいって言ってんのよっ!!」



え……?

怒鳴り付けるような声が聞こえてくる。

私の教室の出口の前の廊下。


私の位置する場所から目と鼻の先で繰り広げられている光景に思わず喉を鳴らした。



「どうして?陽菜は、みんなからの票を受けて最終候補者まで残っただけなんだよ?」



は、春風さん………?

腕組みをした女の先輩らしき人と一対一で正面から向き合う春風さんは、鼻を鳴らして笑った。



「その票だって、ほとんど男子に取り入っただけじゃん!不正だよ!この、ぶりっ子!」


「陽菜を好きな男の子が勝手に投票したの」



きっぱり、と。

くるりと巻かれた髪を指に巻き付けて答える春風さんを、十分に美人な先輩が睨みつけた。


ど、どうしよう……。

廊下に行きたいのにこれじゃとても通れない。



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