【完】クールな君に告白します
そんな展開は夢のまた夢で、ましてや、その主人公のような存在になることなんて現実世界じゃ起きる訳もなく。
唯一、私なんかに声をかけてくれた(と思ってもいいかな……?)、クラスメイトの正木 舞(マサキ マイ)さん曰く。
クラスでも話題になってるから是非っ!……と。
ゴリ推しされて、渋々読む羽目になってしまった流行りの恋愛小説。
クラスの女の子達もはしゃいでいたくらい。
夢を見たいのはもちろん、私も少なからずそうだし、その乙女な気持ちも、わからないわけではないけど……。
私は、一人きりの図書室の窓辺に頬杖をついて、溜め息を吐いた。
ハァ……ここが、一番落ち着つくな。