【完】クールな君に告白します
梶先輩と別れたあと国崎くんの練習スポットがある奥まで進んだ。
「全然、ダメだ……、」
顔を覗かせたと同時にイラ立つ声が聞こえる。
乱暴に投げられたボールが、寂しそうに私の足元に転がってきた。
「く、国崎くん………?」
画集を脇に挟んでボールを拾い上げた私は、恐る恐る声をかけてみる。
「っ、てめぇ……何しに来たんだよ」
「……ごめんね?邪魔なら、すぐに帰るから」
「邪魔なわけじゃねぇけど……オレ、今日はめちゃくちゃ嫌なヤツだぞ」
言葉とは裏腹に沈んで聞こえた声。
切れ長の瞳と目が合った途端に逸らされてしまう。