【完】クールな君に告白します
「本当に嫌な人は、自分のことを嫌なヤツだ、なんて……言ったりしないよ」
「うるせぇよ………」
オレンジ色の髪をくしゃくしゃにして答えた国崎くんは、私からボールを奪うと、ゴール下に腰をおろした。
「私も……ここに、座ってもいい?」
もう、陽が暮れそうだ。
冬の夜は早く訪れるから出来るだけ手短に話したいと思う。
「そんな改まった話かよ?」
「……話というか、国崎くんにお願いがあって」
ぽつり、と言いながら国崎くんの正面に座った私は、脇に挟み続けていた画集を差し出す。
怪訝な顔をされてしまう予感はしていたけれど、国崎くんは意外にもあっさりと受け取った。