【完】クールな君に告白します



「わかっただろ!?これ以上……楓の中に踏み込もうとすれば、お前が傷つくだけなんだよ」


「でも……、」



秘密を隠していた椎名くん。


いつも気だるげで、遠くを見つめて、誰とも関わろうとしない。


恋心故につけ回していた春風さん達を、酷く嫌っていたのだって、これ以上誰も巻き込みたくなかったから……?


わからない……。

だけど、やっぱりこのままでいいなんて思えない。



「私は……このままは、嫌だ」


「は?」


「椎名くんだけが傷ついたままなんて、悲しいなんて、嫌だ……っ、」


「てめぇ……わからずやだな!バカじゃねぇの!確かに楓はお前には優しい時もあったかもしれないけど……でも楓は、お前のことだって好きになんかならねぇよ!」

 
……と。



< 416 / 563 >

この作品をシェア

pagetop