【完】クールな君に告白します
「わかっただろ!?これ以上……楓の中に踏み込もうとすれば、お前が傷つくだけなんだよ」
「でも……、」
秘密を隠していた椎名くん。
いつも気だるげで、遠くを見つめて、誰とも関わろうとしない。
恋心故につけ回していた春風さん達を、酷く嫌っていたのだって、これ以上誰も巻き込みたくなかったから……?
わからない……。
だけど、やっぱりこのままでいいなんて思えない。
「私は……このままは、嫌だ」
「は?」
「椎名くんだけが傷ついたままなんて、悲しいなんて、嫌だ……っ、」
「てめぇ……わからずやだな!バカじゃねぇの!確かに楓はお前には優しい時もあったかもしれないけど……でも楓は、お前のことだって好きになんかならねぇよ!」
……と。