【完】クールな君に告白します
舌を打った国崎くんはイラ立ちと同時、私の手首を掴むと、強引に自分の身体へと引き寄せた。
「……アイツはお前を傷つける。だから、オレにしとけよ?」
国崎くんの手はしっかりと私の手首を掴んでいて、冷たさの中に熱が生まれた。
見上げた先、オレンジ色の髪が揺れた。
切れ長の瞳は真剣さを映していて、近距離に引き寄せられた私には、はっきりとわかる。
「心配なんだよ、お前が……。だから、いっそのこと、オレにしとけばいいだろ……?」
……だけど。
それはきっと精一杯の優しさだったと思う。
絞り出した声で言い放つ国崎くんの瞳の奥に、本当の気持ちが揺らめいた気がしたから。