【完】クールな君に告白します
* * *
放課後のお化け役の特訓を終えた私は、舞ちゃんが作ってくれた黒いノートの隅に、さりげなく書かれたアドバイスを読みながら廊下を歩く。
“ここは普段より低めの声で!”
舞ちゃんは嫌な顔一つしないでこんな風に協力してくれてるから、憂鬱なお化け役も頑張れそう。
私は、そのままの足取りで一階にある美術室へと歩いていた。
ーーー“紅葉なら、一階にある美術室に行けばいるだろ”
もちろん、私が首を突っ込むつもりも詮索するつもりもないけれど、創立記念祭のために絵を描くことになっている三条さん。
今は描けなくなってしまったと国崎くんが言っていたから、なおさらこの画集は参考になるはず……。
「この前は偉そうにしてたクセに、アンタなに黙ってんの?諦めなさいって言ってんだよ!」
え……?