【完】クールな君に告白します
美術室の手前にある下駄箱付近に差し掛かると、なんとそこにはまたしても先日の美人な先輩達が……今度は三人に増えていた。
……なんて、バッドタイミングなんだろう。
壁際へと追いやれているのは、もちろん。
「………陽菜は、諦めないったら」
春風さんだ………。
三対一、さすがの春風さんも先輩達に取り囲まれているからか、焦りの色を浮かべている。
「目障りなんだよね。前回“姫”に選ばれた途端に、王子の周りをうろちょろして!」
「ほんと、それまで姿も見せなかったクセにマジでウザい。いきなり王子ファン気取りして参戦すんなよ!」
「諦めなよ?ね……?春風陽菜」
こ、これは………。
最早、文句ではなくてイジメの域では……。